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生成AI(ジェネレーティブAI)とは
生成AI(ジェネレーティブAI)とは、機械学習によってクリエイティブな結果を生み出すAIのことです。与えられたデータやパターンを取り込んで自ら学び、新しい情報や作品を生成する能力を持っています。
生成AIは、音楽・絵画・文章などの様々な領域で活用されています。たとえば、世界的に注目されたChatGPTは生成AIの一種で、ユーザーが聞きたい情報を質問の意図から汲み取り、人間が返答しているような自然な言いまわしで回答をアウトプットします。
生成AIが注目されるようになったのは、身近で利用できるようになり認知度が高まったためです。先ほどのChatGPTはアカウントさえ発行すれば無料で利用でき、初めてAIに触れる人が生成AIの強みを認識できるようになりました。
ビジネスの世界でしか触れることのなかったAIが身近になったことで、生成AIの可能性が広がったといえます。
生成AIにできないこと
生成AIは、あくまでインプットされた情報から学習してコンテンツを生成しています。画像や動画の生成も機械学習によって得られた情報から生み出されています。高いクオリティでアウトプットができますが、学習したデータに基づいて生成しており、ゼロからイチを生み出すことはできません。
また学習した情報が誤っていた場合、正しい情報で生成されるとは限らない点にも注意が必要です。
生成AIの種類とサービス一覧
学習データを基に新たなデータを作り出す生成AIには、以下のようにさまざまな種類があります。
【生成AIの種類】
- 画像・イラストの生成
- テキスト生成
- 動画生成
- 音声生成
- プログラム生成
それぞれの生成AIについて解説します。
画像・イラスト生成AIのサービス一覧
画像・イラスト生成AIは、作成したい画像やイラストの情報をテキストで入力すると、その内容に応じてアウトプットしてくれる生成AIです。新しい画像・イラストの作成が数十秒でできるため、クリエイティブな業界での活用が進んでいます。
画像・イラスト生成AIのサービスを以下の表にまとめます。
画像・イラスト生成AIの サービス名 |
料金 | 特徴 |
Stable Diffusion | 無料 | テキストで画像を生成させる方法と画像から新たな画像を生成させる方法がある。 |
Dall-E | 条件付きで無料 クレジット制 登録時50回分の無料クレジットを付与 毎月15回分の無料クレジット付与 (翌月への持ちこし不可) |
1クレジットで1回のテキスト入力ができ、4枚の画像出力可能。編集する機能に長けている。 |
ミッドジャーニー | 10ドル~120ドル | 風景画や肖像画といったリアル感のある画像・イラストの生成に強いAI。 |
Blue Willow | 無料 | 他人が作成した画像を参考にしてプロンプトの入力ができる。 |
Lexica | 条件付きで無料 ※モデルがStable Diffusion 1.5の画像であれば無料 |
作成したい画像を検索してプロンプトを取得できるサービス。イメージに近い画像を探すときに便利。 |
deepfloyd IF | 無料 | 画像の中に文字を書き込むことができる。 |
Canva | 無料プラン 有料プラン:12,000/年(1人) |
有料プランでは、水彩画・フィルム調・ネオンなど画像スタイルから選ぶことができる。 |
Adobe Firefly | 無料 | テキストから画像を作成し、エフェクトや色調の修正ができる。 |
テキスト生成AIのサービス一覧
テキスト生成AIは、入力した質問に対して的確な答えを返してくれるAIです。仕事中や勉強中に不明点を解決したり、レポートの作成を支援してもらえたりします。新しいコンテンツを作成するときも活用できます。
テキスト生成AIのサービスを以下の表にまとめます。
テキスト生成AIの サービス名 |
料金 | 特徴 |
Chat GPT | 無料プラン(GPT-3.5) 有料プラン:月額20ドル(GPT-4) |
入力したテキストに対して人間が回答しているかのように自然な答えを返してくれる。 |
Bing AIチャット | 無料 | マイクロソフトが提供しており質問に対して検索結果や参考情報のアウトプットが得意。出典情報の確認が可能。 |
Poe | 無料 | AIチャットサービスのプラットフォーム。複数のAIチャットが利用できる。 |
You.com | 無料 有料プラン(YouPro) |
ユーザー登録が不要で、検索エンジンのインターフェースでテキスト生成AIを利用できる。 |
Phind | 無料 | 質問の回答にWEBサイトの参考情報を添付してくれる。 |
D-ID | Lite:5.99ドル Pro:49.99ドル Advanced:299.99 Enterprise:カスタムプラン 無料トライアルあり(14日間) |
テキストだけでなく、動画や画像の生成もできる。 |
Stable LM | 無料 | プログラムのコード生成を得意にしている。 |
Character.ai | 無料 | キャラクターや有名人と会話するイメージで利用できる。 |
動画生成AIのサービス一覧
動画生成AIサービスは、動画を入力すると新しい動画に編集してアウトプットしてくれます。また、テキストで作成したい動画の情報を取り込むと、動画を作成してアウトプットしてくれるサービスもあります。
動画生成AIのサービスを以下の表にまとめます。
動画生成AIの サービス名 |
料金 | 特徴 |
Gen-1 | 無料プラン スタンダードプラン:12ドル プロプラン:28ドル |
5つのモードから動画の作成、編集が可能。写真のインプットやテキストのインプットに対応。 |
Kaiber | 無料(30秒程度) | 文字情報から動画の作成ができ、無料版からプロ仕様まで存在する。 |
Model Scope | – | 「Stable Diffusion web UI」の拡張機能で動画生成できる。 |
Creative Reality Studio | 無料 | アバターの画像が入力したコメントを話す動画を生成する。 |
AI Studio | 無料 | アバターがキャスターのようにコメントを話してくれるAI。 |
音声生成AIのサービス一覧
音声生成AIは、入力した音声から学習して新しい音声データを生成するAIです。学習した音声から声色や自然な表現を学び、テキストデータから違和感のない音声を生成します。
音声生成AIのサービスを以下の表にまとめます。
音声生成AIの サービス名 |
料金 | 特徴 |
Soundraw | 無料プラン フリープラン:0ドル Creator Plan:16.99ドル(年契約) Artist Plan:月額29.99ドル(年契約) |
イメージを指定すればイメージにあった音楽を生成できる。 |
Mubert | 無料 フリープラン:0円 クリエイタープラン:14USドル プロプラン:39USドル |
ブラウザ上から操作できサンプル曲から似た曲調を選ぶことができる。 |
epidemicsound | 9.99ドル~/月 | 大量のサウンドエフェクトから選ぶことができる。 |
BeatBot | 無料 | テキストをインプットすると音楽だけでなく歌を入れる編集ができる。 |
プログラム生成AIのサービス一覧
プログラム生成AIとは、システムの仕様情報を入力することでプログラムコードをアウトプットしてくれるAI技術です。開発者の負担を軽減し開発のスピードをアップさせるだけでなく、不具合の件数を減少させる品質向上にもつながります。
プログラム生成AIのサービスを以下の表にまとめます。
プログラム生成AIの サービス名 |
料金 | 特徴 |
Github Copilot | 10ドル~/月 | コード入力時、コメント情報からAIが適したコードを提案してくれる。 |
Star Coder | 無料 | 構築したいプログラムの指示を入力すると、言語に合わせたコードをアウトプットしてくれる。 |
AI programmer | 無料 | 日本語で入力した情報からプログラムを生成できる。 |
BlenderGPT | 使用量にあわせて課金 | ChatGPTをBlenderで利用するアドオン、Pythonスクリプトを生成してくれる。 |
生成AIを活用するメリット
生成AIを活用することで、これまで人間が取り組んでいた時間を削減でき業務の効率化につながります。生成AIを活用することで得られるメリットについて解説します。
業務の効率化
生成AIを活用することで業務の効率化につながります。人間が対応すると数時間かかる作業を生成AIに任せると数分で完成させることができます。人間が起こしてしまうイージーミスを防ぐことができ、修正に時間が取られることもありません。
全てを生成AIに任せる方法も良いですが、生成AIの性能を把握できるまでは生成AIにプロトタイプの作成を任せて、人間が編集を加える業務プロセスから始めるのも効率が的です。
クリエイティブなアイデアの参考にできる
生成AIを活用すると、自分では思いつかなかったアイデアに気づくことがあります。クリエイティブなアイデアの参考にできる点は大きなメリットです。
インプットしたテキストに対して複数の情報を生成するAIを利用すれば、複数のアイデアから適したものやイメージに近いものを選ぶことができます。
コストを省いてコンテンツを作成できる
生成AIを活用することで、人間が業務に利用していた時間が削減でき、コストを省いてコンテンツを作成できます。コンテンツ作成業務における人件費の削減は、新たな業務プロセスを生み出し、業務全体が標準化されます。
生成AIを活用するときの注意点
生成AIは、進化する過程で課題の解決にも取り組み続けています。生成AIを活用するときの注意点について解説します。
必ずしも正しい情報とは限らない
生成AIがアウトプットしたテキストやコンテンツが、必ずしも100%正しいとは限らない点に注意しなければなりません。入力したテキストが誤っていると、アウトプットされる情報も誤って出力される可能性がある点にも気を付ける必要があります。
生成AIが作成したコンテンツが、倫理的に避けるべき発言などに言及してしまうケースもあるため、中身の精査が重要になります。
トラブルの可能性がないかよく検討する
生成AIの周辺では、法律やインフラの整備が整っていないことがあります。アウトプットする成果物において、法律で解決できない領域のトラブルに発展する可能性がある点に注意が必要です。
生成AIで作成したコンテンツに誰かを誹謗中傷する内容が含まれていたとき、生成AIに責任転嫁することができません。生成AIが作成したコンテンツに対して、人間が事前にトラブルの可能性がないかをよく検討する必要があります。
著作権の所在を明確にする
生成AIは、機械学習によってテキスト・画像・動画などのコンテンツを生み出しています。過去にインプットされた情報をもとにして生成されたコンテンツが著作権を侵害していないか、法的に問題がないかに注意が必要です。
特に生成されたコンテンツを商用で利用する場合、著作権所有者や必要な使用許諾が誰から得られるのかを明確に確認しておく必要があります。
まとめ
生成AIを活用すると、業務効率化やコスト削減のメリットがあります。テキスト・画像・動画・プログラム・音楽と生成AIの活用範囲は広がり、仕事の進め方にイノベーションを起こします。
AIが作成するコンテンツは、関連する法制度等の議論途上ですが、正しい使い方をすればとても便利なツールであり、クリエイティブな職種だけでなく製造業においても大きなメリットになります。